現代社会において、体調不良や大病に直面したとき、私たちはまず病院へ向かい、西洋医学の治療を受けます。これは当然であり、極めて正しい選択です。
しかし、西洋医学の手を尽くしても「なんとなく体がだるい」「検査では異常がないのに調子が悪い」という、いわゆる「未病(みびょう)」の状態に悩まされる現代人は少なくありません。
実は、日本で独自に発展した「九星気学(方位学)」と、西洋医学と異なる視点で健康を支えてきた「東洋医学」の根源にある東洋哲学は、ほとんど同じ学問です。
本記事では、現代医学と東洋医学の視点の違いから、陰陽五行説に基づく「五臓六腑」と九星の深い相関性、そして究極の風土養生である「吉方旅行」の本質までを、プロの方位鑑定師の視点から徹底解説いたします。
注:松平兼幸は和漢方や中国伝統医学の専門家ではありません。九星気学鑑定師としての陰陽・五行思想の理解から、解説いたします。
西洋医学の視点から証明される東洋医学
東洋医学ときいて「時代遅れの医療」と思う人がいるかもしれません。ですがそれは早計です。事実、鍼灸にはプラシーボではないという論文がでてきていますし、漢方薬も正式に保険認定された薬が大量にあります。
鍼鎮痛の生理学的作用機序(第41回日本神経治療学会学術集会(2023年11月 3日))
鍼灸治療が自律神経機能に及ぼす効果(平成18年3月12日人間総合科学大
学大学院修士論文)
このように、西洋医学の視点から見ても効果ありとされる、いわゆる「エビデンス」がある治療方法と薬を使っており、今後ますます研究が進めば、どちらの視点から見ても文句ない結果が得られるでしょう。
なぜ鍼で痛みが和らぐのか、プラセボ以上の効果が証明され始める
現代医学と東洋医学の決定的な違い:何をもって「健康」とするか
さて、このように西洋医学の視点からもエビデンスが作られている東洋医学ですが、そもそも私たちが健康を考えるとき、まず「東洋医学と西洋医学の視点の違い」を理解せねばなりません。
- 現代医学(西洋医学)の視点:顕微鏡や検査データを用い、病気の原因となる「物質(ウイルス、細菌、腫瘍など)」を特定し、それを薬や手術でピンポイントに「取り除く」対症療法に優れています。いわば「病気そのもの」を見る分析的な医学です。
- 東洋医学(九星気学の根源)の視点:目の前に起こっている病気という現象だけを見るのではなく、その病気を引き起こしている「人間全体のバランスの乱れ」に着目します。目に見えないエネルギーである「気(き)」「血(けつ)」「津液(しんえき) or 水(すい)」「精(せい)」の巡りを調整し、人間が本来持っている自然治癒力を高めて「根本から整える」事を目的にしています。
このように、東洋医学における「健康」とは、検査数値が正常であることだけを指すのではありません。大自然のリズムと同調し、心と体の気の巡りが滞りなく流れている状態を健康ととらえます。
東洋哲学の根幹:九星気学と東洋医学を貫く三つの知恵
さて、そんな東洋医学と九星気学・方位学がかかわるのはなぜでしょうか。それは、以下の東洋哲学をベースに構築された「環境科学」だからです。
① 天人合一(てんじんごういつ)思想
「天(大宇宙・大自然)」の運行と、「人(小宇宙・人間の肉体)」は、常に連動し、影響を与え合っているという思想です。
季節の移り変わりや、天体の配置(九星の巡り)は、私たちの肉体や精神のバイオリズムに直接的な影響を与えています。例えば、夏になって気温が高くなれば汗腺が開き、汗をかきやすくなります。逆に冬になれば汗腺が閉じ、汗をかきにくくなるというのは、自然の運行(天)と私たち人がかかわりがあるという一例です。
② 陰陽論(いんようろん)
万物はすべて「陰(いん)」と「陽(よう)」の相反する二つの性質がバランスを取り合って存在しているという考え方です。
体で言えば、「活動(陽)」と「休息(陰)」、「火照り(陽)」と「冷え(陰)」。このバランスが崩れた時、肉体に不調が生じます。
また「陰極まれば陽に転じ、陽極まれば陰に転ず」と言われるように、常にどちらかだけが存在している事もありません。夏の盛り(陽の極み)が過ぎれば徐々に寒くなっていき、冬の盛り(陰の極み)が来れば徐々に熱くなるのです。
③ 五行論(ごぎょうろん)
大自然のあらゆる物質や現象は「木(もく)・火(か)・土(ど)・金(ごん or こん)・水(すい)」の5つのエネルギーで成り立っており、一定の法則に基づいて、互いに関係を持ちながらバランスをとっているという思想です。
五行は「相生」と「相剋」という2つの関係でバランスをとっています。
例えば木は火を生み(相生)、水に育てられ(相生)、土から栄養を取り(相剋)、金に切られ(相剋)ます。
これら五行の関係を人体に当てはめたのが、五行色体表です。

この中に「五臓」とありますが、これが一般的に知られる「五臓六腑に染み渡る」の五臓です。なので西洋医学でいう臓器と、東洋医学でいう五臓とは、根本的に異なっているのに注意してください。
東洋医学の「五臓六腑」と九星気学・方位学の関係
東洋医学では、人間の肉体を司る中心的な機能を「五臓(肝・心・脾・肺・腎)」に分類します。そして九星気学も陰陽五行論から出来上がっているため、五行と一致します。なので自分が生まれ持った本命星を知ることは、自分の肉体がどんな気を多く持っているかが分かり、「弱点(気の癖)」を知ることになります。
以下に、五行と本命星の関係をまとめます。
| 九星 (五行属性) | 中医学の配当臓腑 (五臓・五腑) | 具体的身体部位 (手・頭・足・髪等の対応) | 関連する病気や症状 | 精神状態・感情 (鬱、陽気、怒り、不安等の配当) | 中医学(東洋医学)における五行対応・解釈 |
| 一白水星(水) | 【五臓】腎 【五腑】膀胱 | 髪(五華)、足(下半身全般)、耳(五官)、骨(五体)、生殖器、泌尿器系、唾(五液)、髄海(脳) | 腎不全、膀胱炎、耳鳴り、難聴、中耳炎、脱毛、白髪、骨粗鬆症、不眠症、むくみ(水分代謝不全)、冷え性、アルツハイマー | 恐れ・驚き(五志)、鬱状態、マイナス思考、強い孤独感、極度の不安感、過度の内省・思慮深さ | 腎は「先天の精」を蔵し、水分と生殖の根源を司る6。水気の衰退や過度の冷えは、髄海(脳)への栄養供給を断ち、精神の収縮(恐・鬱)と骨や髪の老化を誘発する。 |
| 二黒土星(土) | 【五臓】脾 【五腑】胃 | 手(特に右手)、足(四肢の肌肉)、胃腸、腹部全般、脾臓、口(五官)、唇(五華)、肌肉(五体)、涎(五液) | 胃潰瘍、胃がん、大腸がん、下痢、嘔吐、消化不良、食欲不振、食中毒、腹膜炎、婦人科疾患、健忘症、皮膚病、睡眠障害、肥満 | 思(思い悩む・五志)、不安感、過度の心配性、頑固(変化への抵抗)、怠惰(気が沈む)、心身症 | 脾胃は「後天の本」であり、気血を生成する。土気の不調(脾気の滞り)は、筋肉(肌肉)の無力化と消化不良を招き、過剰な「思」によって精神を固着させ不安を生む。 |
| 三碧木星(木) | 【五臓】肝 【五腑】胆 | 手(左腕・肩)、目(五官)、爪(五華)、筋(五体:腱)、肝臓、胆のう、自律神経系、神経、声帯・咽頭、涙(五液) | 肝機能障害、自律神経失調症、過呼吸、喘息、喉の閉塞感、声帯ポリープ、神経痛、リウマチ、突発的な怪我、ノイローゼ、統合失調症 | 怒り(五志)、極度のイライラ、焦燥感、多弁・叫び(口の禍)、衝動性、過剰なストレスへの脆弱性 | 肝は「疏泄」を司り、気血の流れと自律神経を調整する。木気の急激な上昇(肝気上逆)は、感情の抑制を失わせ暴発的な「怒り」と神経系の痙攣・疼痛を惹起する。 |
| 四緑木星(木) | 【五臓】肝 【五腑】胆 | 手(右腕・肩)、背骨、背中、腰、歯、目(五官)、爪(五華)、筋(五体)、呼吸器系、爪 | 気管支炎、喘息、花粉症、感冒、精神性胃腸炎、ヒステリー、消化不全、背中・肩の重さ、腰痛、眠りの浅さ、婦人科系疾患、歯痛 | 怒り(五志)、気疲れ、不安定な情緒、流されやすさ(他人の意見への依存)、不眠に伴う焦燥感 | 四緑は「風」の象意を持ち、体内で不規則な気流(肝風)を引き起こす。これが肝の疏泄を乱し、相克関係(木乗土)により胃腸機能を阻害し、過緊張による背骨や腰の痛みを誘発する。 |
| 五黄土星(土) | 【五臓】脾 【五腑】胃 | 手・足(全身の肌肉)、腹部、身体全体(中宮ゆえに全組織の連動)、口(五官)、唇(五華)、肌肉(五体) | 慢性消化器病(頑固な胃腸不全)、慢性難治性疾患(がん、腫瘍)、腹痛、腹膜炎、急性暴飲暴食症、神経性頭痛、全身の血流滞留 | 思(五志)、極端な自己中心的態度、強い独占欲、嫉妬心、強情、感情の激しい起伏(周囲を振り回す) | 五黄は「帝王・死と再生」を主る土気の極致である37。土気の極端な不調は体内の水湿の運化を完全に停止させ、湿熱や瘀血(血行障害)を局所に凝固させて重篤な器質的病変を形成する。 |
| 六白金星(金) | 【五臓】肺 【五腑】大腸 | 頭(脳・頭部全体)、首、肩、上半身、神経、皮膚・体毛(五体:皮毛)、鼻(五官)、毛(五華)、涕(五液) | 脳出血、脳梗塞、高血圧、頸椎症、頭痛、首肩の激しいこり、呼吸器炎、アレルギー、アトピー、神経過敏症 | 悲・憂(五志)、慢心、過度な責任感、プライドによる鬱・緊張、孤独感、完璧主義からくるイライラ | 六白は「天(完全性)」を司り、肺の「宣発・粛降」を主る13。金の気が過剰になると、気流を下ろす力が弱まり(粛降不全)、気血が頭部に逆上して脳病や高血圧、神経過敏を引き起こす。 |
| 七赤金星(金) | 【五臓】肺 【五腑】大腸 | 口腔(口、歯、舌、喉、咽頭)、呼吸器、肺、胸部・循環器、鼻(五官)、皮膚・体毛(五体)、毛(五華) | 咽頭炎、気管支炎、扁桃炎、虫歯、歯周病、暴飲暴食(酒色)による心臓・血圧疾患、不眠症、心因性ノイローゼ | 悲・憂(五志)、陽気(過度の「喜」や「悦び」)、躁鬱(喜と悲の乱高下)、神経消耗による不満、依存心 | 七赤は「沢(飲食、口、不完全)」を主る。過剰な飲食や会話による肺気の漏出(気虚)が生じやすく、過度の「喜・悦」が心火を煽ることで「火剋金」が働き、呼吸器と循環器を損なう。 |
| 八白土星(土) | 【五臓】脾 【五腑】胃 | 手・足(全身の骨関節、脊椎、手足指、四肢の肌肉)、背中、腰、口(五官)、唇(五華)、肌肉(五体) | 関節痛(変形性関節症等)、骨粗鬆症、腰痛、ヘルニア、脊椎変形、慢性胃不全、体質不適合物吸収による慢性病の定着・再発 | 思(思い悩む・五志)、不安感、一徹な頑固さ、多欲、感情表現の不全(心の閉鎖)、慎重すぎる停滞 | 八白の土は「山(停止、節目)」を主る。中医学的には、脾の「肌肉」と腎の「骨」が交錯する「関節・骨格」に病理が集中し、気の流れが関節部で停止・鬱滞(痰湿停滞)することで慢性痛を招く。 |
| 九紫火星(火) | 【五臓】心 【五腑】小腸 | 頭(脳・眼球・視力)、顔面(五華)、舌(五官)、心臓、血管(五体:血脈)、血球 | 心筋梗塞、狭心症、高血圧、脳血栓、脳梗塞、脳病、眼精疲労、視力障害、眼病(白内障等)、高熱、火傷、精神病、精神疲労 | 喜(喜び・五志)、陽気と興奮、激しい感情の起伏(熱しやすく冷めやすい)、見栄、物事への強い執着、心因性動揺 | 火は「明晰・温熱」を主る。心(しん)は「神明(精神活動)」と「血脈」を支配するが、九紫の火が過剰(心火旺盛)になると、血流を狂わせるとともに脳や目に熱が上昇し、意識障害や視力低下、精神不全を招く。 |
「病は気から」の医学的真実:気の滞りが病を創る
東洋医学の世界には「気(き)」「血(けつ)」「津液(しんえき) or 水(すい)」「精(せい)」という概念があります。この中で九星気学がかかわるのが「気」です。
東洋医学でいう「気」:生命力の源
有名な「病は気から」という言葉は、単なる気の持ちようという意味ではありません。東洋医学の「気」とは、以下のような意味を持ちます。
生命活動の根幹をなすもの:目には見えないが存在する。車の燃料のようなもので、様々な生命活動をするために必要なエネルギー。この「気」を、飲食物から得たり、呼吸で大気中から得ることで、生まれ持った時から持っている「成長する気」と合わさって人間が動いていく。
生命活動をするためのエネルギーが「気」です。だからこれがなくなれば、生命活動そのものが弱ってしまい、免疫が弱くなって病気になったり、精神面にダメージが出て動けなくなるという結果になります。なので「病は気から」と言われるのです。
なので、現在の不調がこの「気」不足から出ているならば、吉方旅行に行って「気を得る」ことで、健康を改善することが出来るのです。
「動く養生」としての方位学・吉方旅行
東洋医学の治療法は
- 内因(内邪):体の内側で発生する病気の原因。7情と呼ばれる感情の同様で病気になる
- 外因(外邪):体の外側で発生する病気の原因。ウィルスや花粉に気候など。
- 不内外因:生活習慣から発生する病気の原因。目の酷使や食べ過ぎや偏食などが分かりやすい。
という「病因」を調べます。そして病因を診察出来たら、前述の陰陽論は五行論などの元に、何が足りていて、何が多すぎるのかなどを総合的に考えて、治療します。
この治療法が
- 漢方処方
- 鍼灸・按摩など
です。漢方は体に足りない五行の気を取り入れます。鍼灸は体の経絡の乱れを整え、気や血の流れを改善します。
では、九星気学(方位学)は何を整えるのかというと、「大自然(方位)の持つ良い気を=大気を全身で直接吸収する養生法」になります。
- 大地の気を吸収する:吉方位に宿泊し、その土地の旬の食材を食す(地のものを食べる)ことで「方位の五行」と「年 or 月 or 日の九星の五行」の「新鮮な気」を体内に取り込むことができます。
- 温泉による「気血」の改善:吉方位の大地から湧き出た温泉に浸かることは、肉体の緊張(交感神経の過緊張)をゆるめ、滞っていた「気・血・水」の巡りを回復させ、厄(体内の老廃物や滞った悪い気)を押し流す、とても簡単でやりやすい養生法です。
ただ、温泉に入りすぎてしまったとか、食べ過ぎたり飲みすぎてしまったら、それは先述の「不内外因」に当たってしまいます。また、現地で遊びすぎてしまって睡眠不足になるとか、無理な観光スケジュールを組んで疲れてしまうなども不内外因に当たりますからご注意ください。
このように、方位学を使った吉方旅行に行くことで、東洋医学の「気」を改善し、心身ともバランスの良い状態になる=健康になるというのが、吉方旅行による健康法です。
吉方旅行先での健康にかかわる行動や、気を吸収するのにお勧めの「食事」について記載した記事がありますので、そちらも参考にしてください。
まとめ:「気の癖」を知り、占いを最高の健康管理ツールにしよう
いかがでしたでしょうか。松平兼幸は東洋医学の医学博士とかではないため、説明に多少の間違いはあるかもしれません。なので東洋医学を本格的に知りたい方は、松平兼幸が読了した下記書籍や関連書籍をお読みいただき、もっと詳しく調べてみてください。
東洋医学はなぜ効くのか ツボ・鍼灸・漢方薬、西洋医学で見る驚きのメカニズム
九星気学や東洋医学の健康法は、決して根拠のないものではありません。即効性は西洋医学と比較したら遅いですが、西洋医学では対応がしづらい「未病」について。そして目に見えない「気」を整えるという事においては、九星気学・方位学・東洋医学は非常に有用な手段だと言えます。
現代西洋医学の素晴らしい治療を受けつつ、東洋の知恵を使って「日々の気の乱れ」を自分で調整していく。この両方を行う事で、健康と、病に負けない生気にあふれた体を手に入れることができるでしょう。
そんな吉方位を知りたい場合、よろしければ、私の監修している吉方位検索システムをご検討ください。
そもそも吉方位は年や月、日毎に変化をしますので、正しい方位を把握することがとても重要です。手軽に吉方位を知りたい方は、がおすすめです。
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(監修:幸せ方位占い師・松平兼幸)






