人生の大きなターニングポイントである「転職」。その決断を前にしたとき、あなたの能力や経験、そして希望する条件と向き合うのはもちろんのこと、目には見えない「運」の流れを味方につけたいと考えるのはとても自然なことではないでしょうか。
古来より人々は移動する「方位」がその後の人生に大きな影響を与えると考えてきました。特に一日の大半を過ごすことになる「職場」への移動は、私たちの運気に決して小さくない作用を及ぼします。
では、この職場への移動が、凶方位だったら? 日帰りだったら大丈夫と聞くけど、実際にはどうなのか? せっかくの転職が悪い結果にならないようにしたい・・・と願う皆様のために、「方位学」「九星気学」を用いて、あなたの運気を最大限に高める「吉方位」の調べ方とその活用法について、専門家の視点から分かりやすく徹底的に解説していきます。
転職時の転職先の方位はどこまで重要視すべき?
まず、「転職において方位はどれほど重要なのか?」という根本的な疑問についてお答えします。
結論から言うと、転職先の企業の所在地があなたの自宅から見て、どの方位にあるかは可能であれば考慮した方が良いというのが、多くの専門家の見解です。
もちろん最も優先すべきは、その仕事内容があなたのやりたいことや能力、そして希望する条件と合致しているかどうかです。方位が良いという理由だけで、全く興味のない仕事に就いてしまっては本末転倒です。
しかし、もし複数の候補で迷っている場合や、より良い環境であなたの能力を最大限に発揮したいと願うのであれば、吉方位の力を判断材料の一つとして活用するのは非常に賢明な方法といえるでしょう。
良い「気」が流れる方位へ移動することで、物事がスムーズに進んだり良い人間関係に恵まれたりと、目には見えない後押しが期待できるからです。
凶方位は「できれば」避けたい
吉方位を積極的に狙うというよりも、まずはご自身にとってマイナスの影響が出やすい「凶方位」をできる限り避けるという意識を持つことが大切です。
特に後述する「五黄殺」や「暗剣殺」といった、誰にとっても凶となる方位や、ご自身の本命星にとっての凶方位(本命殺・本命的殺)へ通勤する場合、日帰りならば大きな問題はありませんが、残業や夜勤などで「日をまたいで通勤する」ケースが多くなると、凶方位の影響が出てきて、仕事上のトラブルや人間関係の悩み、あるいは健康面での不調などが出てきてしまう可能性があります。。
もし、非常に魅力的な転職先がどうしても凶方位に位置していて、しかも日をまたいで、宿泊みたいな事がある場合は、その影響を和らげるための対策(後述)を講じることを検討しましょう。
自身で九星気学を学んでみる
方位の力を本格的に活用したいと考えるのであれば、専門の鑑定士に相談するだけでなくご自身で九星気学の基本的な知識を学んでみることをお勧めします。
ご自身の「本命星」や「吉方位」の導き出し方といった、基礎を理解するだけでも日々の生活の中で運気を意識するようになり、行動がよりポジティブなものへと変わっていきます。
インターネット上にも多くの情報がありますし、入門書なども多数出版されています。まずはご自身の星について調べてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
九星気学を使って転職先の吉方位を調べる方法
では具体的に、九星気学を使ってご自身の吉方位を調べるには、どのような手順を踏めば良いのでしょうか。
4つのステップで解説します。
手順①本命星を確認する
まずご自身の「本命星」を知ることから始めます。本命星は生まれた年に基づいて決まります。インターネットの自動計算サイトなどでご自身の生年月日を入力すれば簡単に調べることができます。
注意点として、九星気学では一年の始まりを元旦(1月1日)ではなく、立春(2月4日頃)と考えるため、1月1日から2月3日頃までに生まれた方は前年の生まれとして扱われますのでご注意ください。
(例:1990年2月2日生まれ → 1989年生まれとして本命星を算出)
手順②凶方位について理解する
吉方位を知る前に、まずはその年に全ての人にとって共通の凶方位となる「三大凶殺」と、ご自身の本命星にとっての凶方位を把握し、避けるべき方位を確認します。
- 五黄殺(ごおうさつ): 最も強い凶作用を持つ方位。初めは良いが、徐々に結果が悪くなり、自滅や腐敗を招く。
- 暗剣殺(あんけんさつ): 五黄殺の反対側。自分が原因ではなく、他動的な災難に遭いやすい。
- 歳破(さいは): その年の干支の反対側。約束や物事が破れやすい。
- 本命殺(ほんめいさつ): ご自身の本命星が位置する方位。初めは良いが後から疲れが出やすくなり、苦労する。肉体的なダメージが多いので、病気に注意。
- 本命的殺(ほんめいてきさつ): 本命殺の反対側。弱気になったり怠け心が出たりと、精神的なダメージを受けやすい。
これらの凶方位は、年・月・日ごとに変わります。影響の強さや長さについては
「吉方旅行=方位取り=祐気取りのもつ、効果や持続時間を解説」をご覧ください。
転職の場合、転職する年の年盤(九星の配置図)を確認し、転職先が凶方位にあるかどうかを確認しましょう。
もし凶方位だったら、後述する「凶方位へ転職する際の対処法」を行うか、選択肢から外してください。
手順③吉方位を知る
上記の凶方位を除いた方位の中から、ご自身の本命星と相性の良い星が巡っている方位が「吉方位」となります。
九星には五行思想に基づいた「相生(そうじょう・そうしょう)」「相剋(そうこく)」という星同士の相性があります。
ご自身の本命星と「相生」の関係にある九星(自分を生かし助けてくれる関係)が巡る方位が、その年のあなたにとっての吉方位となります。
この方位へ向かうことで、その方位が持つ良いエネルギーを受け取ることができます。この方法について詳しくは下記記事を参考になさってください。
方位学における「吉方位」と「凶方位」とは? 行けない際のポイントも解説
【2025年最新】吉方位とは?吉方位の調べ方や吉方旅行先での過ごし方を解説
九星気学が示す吉方位に転職するメリット
では、吉方位にある職場へ転職すると具体的にどのような良い影響が期待できるのでしょうか。
メリット①働きやすい
吉方位の持つポジティブなエネルギーは、その職場環境そのものをあなたにとって居心地の良い働きやすいものにしてくれるといわれています。
例えば、なぜかご自身の能力が正当に評価されやすかったり仕事の進め方がご自身のペースとうまく合致したり。
あるいは、オフィスの雰囲気がご自身の気質と不思議とマッチしてストレスなくのびのびと働くことができる。
そんな目には見えない「追い風」が常に吹いているような感覚を得られるかもしれません。
メリット②金運
吉方位への移動は金運アップにも大きな効果があるとされています。
これは単に宝くじが当たるといったような棚ぼた的な金運ではありません。
吉方位のエネルギーがご自身の仕事運を高め、その結果として正当な評価、すなわち昇給や昇進、あるいは大きな成果に対するインセンティブといった形で金銭的な豊かさに繋がっていくというものです。
ご自身の努力がきちんと目に見える形で報われやすくなる。それが方位学における金運向上の本質です。
メリット③人間関係
職場における最大のストレス要因ともいえる人間関係。吉方位への移動は、この人間関係においても良い影響をもたらしてくれるといわれています。
例えば、なぜかあなたを引き上げてくれるような良い上司や先輩に恵まれたり、お互いに高め合えるような素晴らしい同僚との出会い、あるいはあなたを悩ませていたような苦手なタイプの人が不思議と周りからいなくなる。
ご自身の努力だけではどうにもならない「ご縁」の部分を良い方向へと力強く後押ししてくれる。それが吉方位の持つ大きな魅力の一つです。
九星気学でみる凶方位への転職によって起こりえる不幸
逆に凶方位にある職場へ転職してしまった場合、どのようなマイナスの影響が現れやすいのでしょうか。
トラブル
凶方位、特に五黄殺や暗剣殺といった強い凶作用を持つ方位の影響が出てくると、仕事上の予期せぬトラブルに見舞われやすくなる可能性があります。
例えば、初めは良かったけれど後からダメな事が分かって、やめたいけれど違約金がかかるからやめられないとか、自分に非がないのに大きなミスの責任を押し付けられる、順調に進んでいたプロジェクトが外部からの理不尽な横槍で頓挫してしまう。そしてこれらのダメージが体力、精神にも問題を起こし、休まざるを得なくなるなどのアクシデントが出やすくなります。
常に何かしらの障害や困難が行く手を阻むような、逆風の強い環境に身を置くことになるかもしれません。
むしろ、自分を鍛え上げる事ができて好都合だ! と考える方もいらっしゃるかもしれませんし、事実そういうケースもあります。詳しくは下記記事をご覧ください。
凶方位に行かなければならないときの対策を紹介! 凶方位を恐れるなかれ
金運
凶方位は、金運にも良くない影響を及ぼすといわれています。
どれだけ一生懸命に働いてもなかなかそれが正当な評価や昇給に結びつかなかったり、あるいは予期せぬ大きな出費が重なってなぜかお金が貯まらなかったり。
また、歳破の方位では契約ごとが破れやすいという象意があるため、大切な商談が土壇場で破談になるといった直接的な金銭的損失に繋がる可能性もあります。
努力がなかなか報われない空回りしやすい状況に陥りがちです。
さらに、上記のトラブルのような事が起こると、仕事そのものにやる気が出なくなる可能性もあるので、注意してください。
人間関係
凶方位は、職場での人間関係にも影を落とすことがあります。
なぜかあなたに対して攻撃的な態度をとる上司や同僚が現れたり、信頼していた人から裏切られたりあるいはいわれのない悪評を立てられる。
職場が精神的に休まらない居心地の悪い空間となってしまい、仕事へ行くこと自体が大きなストレスになってしまうといった状況を招きやすいとされています。
こうした人間関係の悪化は、やがてメンタルの不調や早期の再離職へと繋がってしまう危険性をはらんでいます。
凶方位へ転職する際の対処法
「先生、そういわれても、仕事の都合などでどうしても凶方位にある職場へ転職しなければならないんですが」
「とても素晴らしい条件の企業に転職できるのに、そんな事を言われても困ります」
とお考えの方もいると思います。
ご安心ください。凶作用を和らげるための、対策方法は存在します。
大前提:転職先に「1泊」「日をまたいで残業・勤務する」などがなければ大丈夫
繰り返しになりますが、転職先が凶方位に当たる場合でも、現地に1泊するかしないかで変わります。
というのも、年盤・月盤の「長い間運気に影響を与える」には「1泊」しないと出てきません。日帰りをするのであれば、年盤・月盤の影響はでてこないで、その日1日を司る「日盤」の方が強くでてきます。
そして日盤が凶方位だとしても、その影響期間は1日半なので、大げさに気にする必要はありません。
それに、日盤なら翌日は吉方位になっているかもしれません。なので、大事な発表があるとか、試験があるという場合は気にする必要があるでしょうが、そうでない場合はそれほど深刻に考えなくても大丈夫です。
問題となるのは、転職先に「1泊」「日をまたいで残業・勤務する」する場合です。この場合、もし年盤か月盤が凶だったなら、凶方位の影響が出てしまいます。
「1泊」「日をまたいで残業・勤務する」場合、以下の対応策をお試しください。また、それが出来なかったとしても、出来るだけ職場や学校で前向きな姿勢を心がけ、凶方位のマイナス要素を吹き飛ばすようにすれば、凶方位の影響を最小限に抑えられます。
対処法①吉方旅行・引っ越しを行う
通勤先が自宅から見て凶方位にあり、かつ1泊する場合、後日「自宅から見て、年盤と月盤が両方とも吉方位になる方位」へ、出来れば「3泊以上」の旅行に行くのをお勧めします。
ご自身の吉方位がどこにあるかは、吉方位検索システムなどがございますので、よろしければご利用ください。
旅行だけではなく、引っ越しが出来るならその方が影響力は強くなります。
「1泊」「日をまたいで残業・勤務する」
【2025年最新】吉方位とは?吉方位の調べ方や吉方旅行先での過ごし方を解説
対処法②神社で方位の厄払いを行う
凶方位への移動が避けられない場合に古くから行われてきたのが、神社での「方位除け」や「八方除け」のご祈祷です。
これは、方位によってもたらされる様々な災厄から身を守ってくださるよう神様にお願いし、ご加護をいただくための伝統的な儀式です。
特に、方位除けで有名な専門の神社へ転職の報告と、新しい職場での無事を祈願しに参拝することで、心の不安が大きく和らぐのを感じられるでしょう。
入社日の前などに清々しい気持ちでご祈祷を受けることをお勧めします。
ちなみに、神社などのパワースポットに行かれる場合の注意点もありますので、良ければ下記記事もご覧ください。
パワースポットに行ってはいけない人とは?危険な場所の特徴も解説
対処法③休息をとる
凶方位の影響は、出てきたとしても、人生を終わらせるようなものではありません。これが悪い結果になってしまうのは、
「限界まで頑張っていて、体や精神が壊れる一歩手前、ギリギリのところで踏ん張っている人」
が凶方位をとった時です。
いわゆる「最後の一押し」になってしまうかもしれないのです。
そういう場合の改善策は、とにかく「休養」です。
仕事が忙しくて休みが取れないという場合、最優先にするべき行動は、睡眠時間を確保し、精神を回復させることです。それが出来れば、凶方位による「最後の一押し」がなくなり、無事に生活できるようになります。
九星気学で転職先を選ぶ際に覚えておきたいこと
方位の力を上手に活用することは素晴らしいことですが、それ以上に忘れてはならない大切なことがあります。
転職先の条件や内容を大切にする
方位学は、あくまでより良い人生を送るためのツールの一つです。
最も大切なのは、その転職先がご自身のキャリアプランや価値観、そして希望する労働条件と合致しているかどうかという現実的な視点です。
いくら最高の吉方位にあっても、仕事内容に全く興味が持てなかったり、待遇面に不満があったりすれば、その転職が幸せなものになることはありません。
逆に最悪の凶方位であったとしても、何度もお話ししたように「1泊」しない限りは大丈夫ですから、凶方位に転職先があっても、やりたい仕事だったり、給料が上がったり、キャリアアップ出来たりするならば、転職をなさってください。
まずは、ご自身の心と頭で納得のいく転職先かどうかをしっかりと見極めること、それが大前提です。
希望しない仕事が凶方位の場合は避けるべき
もしあまり乗り気ではない、希望しない転職先の職場がたまたま凶方位に位置していた場合は「その道はあなたにとって進むべき道ではないですよ」という、サインかもしれません。
このような場合は、無理にその話を進めるのではなく、一度立ち止まって考え直す良い機会と捉えるのが賢明でしょう。
凶方位という目に見えるマイナスの要素が、ご自身の心の迷いや違和感を後押ししてくれるというケースです。
吉方位の転職先が良いとは限らない
たとえ最高の吉方位に位置していたとしても、その転職先がご自身の価値観や直感と合わない場合は注意が必要です。
方位の良さという情報だけに惑わされて、ご自身の心の声を無視してしまうと入社してから「こんなはずではなかった」と後悔することになりかねません。
吉方位はあくまで選択肢の一つです。最終的な決断を下すのは、他の誰でもないご自分自身であるということを忘れてはいけません
良いと思った転職先は選んでもよい
最終的にご自身のこれまでの経験やスキル、そして直感を総動員して「この会社で働きたい!」と心から思える転職先が見つかったのであれば、そこが完璧な吉方位ではなかったとしても、あるいは少し気になる方位であっても恐れることはありません。
その前向きで強い「意志」のエネルギーこそが、どんな方位の影響をも乗り越える最強の「運」を引き寄せる力となるからです。
ご自身の心のコンパスを何よりも信じてあげてください。
九星気学を活用しつつ、前向き且つ誠実に努力を続けること
今回は転職という人生の大きな転機において九星気学を用いた方位の考え方と、その活用方法について詳しく解説しました。
方位学は決して私たちの行動を縛り付けたり、未来を決定づけたりするためのものではありません。
それは目には見えない自然の大きなエネルギーの流れを読み解きそれをご自身の人生の「追い風」として賢く活用していくための素晴らしい先人たちの知恵の結晶です。
凶方位への移動が避けられない場合でもこの記事でご紹介したような様々な対策を講じることで、その影響は和らげることができます。
そして、何よりも大切なのは方位の吉凶に一喜一憂しすぎず、ご自身の夢や目標に向かって前向きになること、そして誠実に努力を続けるその姿勢です。
そのポジティブなエネルギーこそが最高の吉方位となり、あなたの新しいキャリアの輝かしい扉を力強く開いてくれることでしょう。